「あっ!!」


 男の子の1人が、何かを見つけました。





― たんぽぽです。



  そうです。花をつけた、わたぼうしです。










「たんぽぽ!!」


 3人は、花をつけたわたぼうしの周りを囲みました。




「これだけたんぽぽだ!!」


「ほんとだ!」



「かわいい!!」






3人ははしゃぎました。








― と、すると



男の子の1人が、花をつけたわたぼうしに手を伸ばしました。





(わ、わぁ…!!摘まないで…)


花をつけたわたぼうしは、必死にお願いをしました。







「だめっ!!」


 女の子が突然、声をあげました。




「な、なんだよぅ。」


 男の子がたじろいで、手を引っ込めました。






「おはなはつんじゃいけないの!かわいそうでしょ!!ママがゆってたよ。」


 女の子はほっぺたをぷぅっとふくらませて言いました。





「ちぇっ。わかったよ。せっかくママにもっていってみせてあげようとおもったのに。」








それから3人は、梨の木の周りで鬼ごっこをしたり、色んな花や虫を見たりして遊びました。



夕方になると、3人はあわただしく帰っていきました。







「でっかいきー!!またな!」


「たんぽぽさん、またね!!」


「またくるよーー!!」




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